受領義務

2010年06月03日 / 演習

A会社の主張
AはBの受領遅滞を債務不履行だとし、債務不履行に基づく損害賠償、ならびに解除を主張しうる。

代金債権について
AのBに対して有する代金債権については、弁済期が三カ月ごととされており、直近の弁済期が平成22年3月末日であるので、未到来であり、代金債権を行使することはできない。同時にBの代金支払債務につき、債務不履行に陥っていることはない。

受領遅滞
Bは平成22年1月3週におけるAの現実の提供に対して20トン分につき、受領遅滞に陥っていると考えられる。これに対してBは契約内容が30トン分の供給契約に変更されているとして、受領遅滞に陥っていないと反論しうる。契約内容変更の理由として合意によるものと事情変更によるものが考えられる。本件では、30トンへの変更につき、Aの合意は存在しない。また、事情変更は天変地異などの著しい客観的事情の変更において、当事者が予見不可能かつ、帰責性がなく、既存の契約内容に拘束することが信義則に反するときに契約内容を変更するものである。本件のように、Bの経営事情によるものであれば、事情変更の原則を適用する余地はない。
また、Bとしては、30トンについては、受領するとしているので、受領遅滞は20トン部分についてのみだと主張しうるが、契約内容における目的物が50トンと確定してある以上、債務の本旨は50トン全量についての仕事完成義務かつ引渡し義務であり、その一部について受領を拒絶することは、本件債務全体について受領遅滞に陥るものと考えるべきである。

債務不履行の可否
受領遅滞が認められれば、413条により債権者は遅滞の責任を負う。この遅滞の責任は、提供の効果の反射的なもの(同時履行抗弁権の消滅や危険の移転、利息の不発生等)だけでなく、債務不履行責任を規定したものだと考える。売買契約や請負契約等の類型においては、債権者が債務者の提供に協力して初めて債務者が履行を完了することが可能となる契約類型であり、債権者には信義則上(1条2項)、受領義務が課される。この受領義務に違反する場合には、415条によって債務不履行となり、損害賠償責任が発生し、また、債務者は解除をすることができる。
損害賠償請求や解除については、帰責性が要求されるが、本件のBは経営状態の悪化を原因とするものであり、不可抗力とは言えず、帰責性が認められる。
よって、AはBの受領遅滞による債務不履行により、損害賠償請求及び解除をすることができる。

Bの反訴
Bは、平成22年1月4週以降Aは現実の提供をしていない。また平成22年2月2週にいたっては、口頭の提供もしていないことを理由に、目的物引渡し債務の債務不履行を理由に解除及び損害賠償請求を主張しうる。
 しかし、平成22年1月3週に受領遅滞に陥っている以上、受領拒絶の意思は明確であり、受領遅滞を解消しない以上、Aは弁済の準備をしたうえで、口頭の提供をすれば、提供として認められる。(493条)また、受領遅滞が3週にも及んでいるので、平成22年2月2週の時点で、確定的な受領拒絶の意思を表している。従って、Aは口頭の提供を必要とせず、準備さえしていれば、提供として認められる。従って、Aの債務不履行は無い。
 これに対し、Bは平成22年2月3週に催告をしているので、受領遅滞は解消され、それにも関らず、提供をしなかったAに債務不履行があると主張しうる。
 しかし、受領遅滞の解消が認められるためには、現状の遅滞状況を解消することに加え、将来においても受領する意思を確実にすることが信義則上要求される。本件では、Bは50トンにつき催告をしているものの、将来においてはなお不安の残る回答しかしていないため、受領遅滞が解消されたとはいえない。従って、Aは現実の提供を必要とされず、結果として債務不履行になったとはいえない。
  

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時効と対抗要件2(背信的悪意者論をからめて)

2010年05月21日 / 物権

こんばんは。
前回は、時効と対抗要件について書きました。
ざっくりまとめると、

177条が射程は、176条の意思表示によるもの以外の物権変動にも広く認めるということ(時効や相続等)
その前提として、時効による原始取得の際においても不完全物権変動を観念していること、
その結果として、時効などの物権変動を完全なものとして、第三者に主張するためには登記を必要とすること、

である。

ここで、事実上の問題が生じる。


↓①
B →②(時効) C
↓③


※AB間176条契約、BD間176条契約

の場合、CがBに対して移転登記手続き請求(この場合、物権請求権構成になるでしょう。)をする可能性がどれだけあるか。

10年なり、20年なりの事実状態が続いたことによって物権変動が起こるので、
当事者がその時効による取得権利者がその物権変動に合わせて、登記移転について行動を取ることは、契約による物権変動に比べれば、格段に少ないことが予想される。

まあ、善意無過失は占有開始の時点で判断されるので、その後悪意になったとしても、時効は認められる。
そのため、10年経過をまちわびて、時効援用の意思表示をし、自己への物権変動を完全なものとする可能性も考えられなくはない。

しかし、そもそも事実状態を尊重する時効制度が、物権変動の対抗要件の面で、権利者が知りませんでした、ということで登記具備を怠り、他の譲り受け人に負けてしまうことは、時効制度全体を揺るがすことになりかねない。

そこで、判例は権利濫用の法理を拡大しながら調整していると考えることができる。

判例は、時効による権利取得と、時効完成後の第三者との対抗関係の事案で、
177条の第三者は本来、善意悪意については問わないものであるが、
(少なくとも)多年にわたる占有継続の事実を認識していることと、それに加えて信義に反する事情がある場合には、
背信的悪意者として、登記の欠缺を主張する正当な利益がない、として処理している。

本来の悪意とは、他の者との間に物権変動(権利変動)があったことについて知っていることであるので、
時効完成の基礎である占有状態の継続についての認識を背信的悪意者の前提としての悪意認定に用いているということは、
本来の177条の背信的悪意者の認定よりも緩やかに解していると考えることができる。


つまり、177条の物権変動に意思表示以外のものも含めて考えるようになった

時効による物権変動フェーズでは、登記手続きへのインセンティブに欠ける。

対抗関係で処理してしまっては、売買による譲受人が圧倒的に有利

時効制度の没却の虞が生じる。

時効による物権変動フェーズでは、背信的悪意者論を広く認めることにより、調整する。

多年にわたる占有継続の事実の認識を悪意の判断基準として、背信性を緩めて考える。

という経過をたどったのではないのかというのが僕の推測です。

特に、二重譲渡の対抗関係であれば、自由競争の結果として、背信性は「いやがらせ」事例の時などにしか認められない厳しいものである。

しかし、時効取得者と譲受人との間の対抗では、純粋な自由競争というのは考えにくい。
そのうえで、悪意の認定を、多年にわたる占有継続の事実の認識という点で判断するのであれば、
結果論として、その者が登記の欠缺を主張することが信義則上許されないという、認定も容易にできることが多いだろう。

◎おまけ
時効による物権変動を177条の問題としない過去の大審院の場合には、
時効によって完全な物権変動が生じる結果として、もと所有者は無権利となり、譲受人は他人物売買契約を締結したにすぎない、と前に書いた。

ここでは、権利外観法理によって94条2項類推適用による所有権取得(法定承継取得)の可能性がある。
94条2項類推適用の要件としては、善意が要求されるので、

事実認定レベルでは、現在の177条の物権変動論の立場を取り、先の緩やかな背信的悪意者の認定(悪意の認定)と大審院時代の94条2項類推による善意の評価は裏返しの関係になり、結論としてはそんなに変わらないんじゃないか、ということである。

  

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時効と対抗要件

2010年05月20日 / 物権

お久しぶりです。

今日は時効と物権変動(対抗要件)のお話

物権変動は、176条で意思表示によってなされると規定されている。
物権の帰属について決まり、177条で対抗要件が定められている。
素直に読めば、条文の順序的には、176条の意思表示による物権変動の対抗要件として登記が必要と考えることができる。
逆に言えば、意思表示によらない物権変動は、登記なくして対抗できると考えることもできる。

これは、不完全物権変動や否認権の捉え方にもつながる議論である。

我妻先生(不完全物権変動)によれば、登記を具備すると完全な物権変動が生じるが、
登記具備前は、その物権変動が不完全であり、第三者は前主から所有権を承継取得しうる。(帰属が肯定される)
そうすることによって、所有権の帰属が肯定された同士の対抗の問題が出てくるのである。

つまり、「対抗」の問題は、「帰属」を前提としており」、「帰属」は「不完全な物権変動」を前提としているのである。
そうすると不完全な物権変動の範囲をどこまで認めるのか、意思表示による物権変動なのか、すべての物権変動なのか、
ということが問題の中心であり、同時にその結論が177条が適用される物権変動の範囲であり、登記を必要とする物権変動の範囲ということになるのである。

例えば、時効による取得を見てみる。
時効は原始取得とされていることにも留意する必要がある。


↓①
B →② C(時効取得)
↓③


AB176条契約、BD176条契約

の時、②の時点で、Cが時効により、取得しており、その後DがBより売買契約(555・176)を締結している。
ここで、176条と177条をセットで読み、登記を必要とする物権変動は意思表示によるもののみであると考えれば、
意思表示によらない原始取得形態である時効による物権変動はそれだけで(時効の要件を満たしただけで)完全な物権変動を生じさせることになる。
そうすると、Bはその時点で反射的に所有権を失い、無権利にあり、Dは他人物売買契約を締結したにすぎなくなる。
※94条2項の問題として処理することもできる。

これに対して、時効というものは原始取得でありながらも、権利者は一物一権主義により反射的に権利を失う者との関係では、「承継」的に権利を取得していると観念できなくもない。

そうすると、意思表示による二重譲渡と上記の物権変動では、
意思表示によるのか、永続した事実状態によるものなのかの違いにすぎず、
関係性としては同視でき、時効による物権変動にも不完全物権変動をあてはめることも可能である。

条文の配置についても、債権の時効取得が認められる以上、時効を総則の箇所に置くのが妥当なだけであって、
物権の章に176と177が意味深に並んでいるのは、とくに意味があるのではなく、パンデクテンの仕業なんだ!と言いきれば、
説得的な説明も可能であろう。

大審院は、177条の物権変動を意思表示によるものに限定していたか、
今の判例はご存じのとおり、相続や時効など幅広い物権変動に適用している。
  

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物権変動2

2010年04月28日 / 演習

Aは甲土地をBに売買し、引渡しを完了した。
AはCにも甲土地を売買し、登記を移転した。
CはDに甲土地を転売し、登記を移転した。
Eは、A・B・Dに無断で甲土地を材木置き場として利用している。

BはDにどのような請求をなしうるか。  続きを読む

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物権変動1

2010年04月28日 / 演習

Aは甲土地をBに売買し、引渡しを完了した。
AはCにも甲土地を売買し、登記を移転した。
CはDに甲土地を転売し、登記を移転した。
BはDに対し、どのような請求をなしえ、Dはどのような反訴をなしうるか。


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錯誤2

2010年04月27日 / 演習

錯誤の問題2

印刷業者Aは製造会社Cと印刷機械甲につき1000万円買う旨の売買契約を締結した。
AはXと売買代金支払い債務につき、立て替え払い契約を締結した。
その内容として、AはXに毎月月末に分割払いをすること(100万+利息5万)×10カ月一回でも支払いを遅滞した場合には、期限の利益を失う旨の合意をした。
YはAが立て替え払い契約によって、Xに対して負担する債務につき連帯して保証する契約を締結した。
そこで、Xは1000万円全額につき、立て替え払いをしたが、Aは2カ月目の支払いを怠り、期限の利益を喪失した。実は、Aは別会社から機械を納入しており、本件AC間売買契約及びAX間立替払契約は営業資金を捻出するための空クレジット計画にすぎなかった。この計画は、AC間で練られたもので、Xは立替払金をCに支払い、Cは手数料等を控除した上で、残金をAに交付するという計画であった。
Yは本件売買契約の不存在については知らなかった。
その後Aが倒産したので、XはYに対して、立替払金と手数料、遅延損害金の支払いを求めて訴えを提起した。
AX間の立替払契約には、債務が完済されるまで、本件機械の所有権はXに留保され、支払いが遅滞された場合には、客観的な価格によって弁済充当する特約がなされている。

Xの請求は認められるか、それに対してYはどのような反論をするか。
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代理2

2010年04月25日 / 演習

本人と他の共同相続人が無権代理人を相続した一事例
最判平成10年7月17日参考 問題文省略



YのX1に対する請求としては、有権代理による効果帰属、追認による効果帰属、表見代理による効果帰属、無権代理人の責任の相続、不法行為責任の相続を主張しうる。

①有権代理による契約責任の請求と抵当権の執行(446条・454条と176条)
YはX1代理人X2と連帯保証契約及び抵当権設定契約を締結しているので、本人であるX1に契約の効果の帰属を主張しうる。
これに対し、契約締結当時、X2が有していた代理権は乙土地売買についてと600万円の保証契約についてである。したがって、通常保証が連帯保証になっている点、600万円が900万円になっている点、抵当権設定契約については、代理権を有しておらず、X1に効果は帰属していないと反論しうる。


②本人の追認(113条1項)
本人による追認拒絶の有無
X2は死亡し、X1と乙が共同相続人となっている。
X1は本人としての地位を有するが、本人が無権代理人の地位を相続したとしても、当然に効果が帰属するわけではない。相続という偶然の事由によって乙の許諾の自由を侵害することは不当だからである。X1は独自に信義則に反するよう事情がない限り、追認拒絶することは可能である。

③表見代理(110条)
代理権を有さず、無権代理となっても、権利外観の法理を生かし、表見代理が成立すれば、本人に効果が帰属しうる。
本件では、基本代理権、かつ、その権限踰越が存在するので、110条の要件である相当な理由があれば、表見代理は成立する。
相当な理由は、代理権の不存在について善意・無過失であることである。
実印や印鑑証明が付与されている場合には、日本における伝統的な取引慣習に当てはめれば、実印の意義は大きく、本人照会をしなくとも、代理権を有することを信じても無過失であるといえよう。
しかし、現代において、印鑑証明が電子機械で容易に入手できることにより、実印の意義は伝統的なそれよりも低下している。また、本件のように、自己との売買契約の売掛金についての保証をするという契約形態においては、通常の取引では考えにくく、そのような代理行為をなす場合には、相手方は実印とその印鑑証明だけではなく、本人に直接照会して初めて「相当な理」を有すると解するべきである。
Yは契約締結時にX1に直接照会しておらず、110条の「相当な理由」を有さず、表見代理は成立しない。

④無権代理人の責任の追及とその相続(116条と896条)
無権代理人については、法定責任が課されている。YはX1に無権代理人の責任として連帯保証契約については履行又は損害賠償請求が相続される。
しかし、特定物を目的とする抵当権設定契約については、Xに許諾の自由が認められるので、履行を拒否すれば損害賠償請求のみが認められることとなる。
しかし、Yはこのような取引形態において直接本人照会するべきであったのに、しなかった点において過失が認められるので、無権代理人の責任は追及できない、という反論が認められるため、無権代理人の責任は追及できない。

⑤不法行為責任とその相続(709条と896条)
1)故意・過失
無権代理行為やそこから発生する損害について、X2に当然に故意がある。

2)違法性
無権代理によって、通常成立するはずであったYがX1に対して有する債権ならびに物権について、侵害があったと見ることができる。

3)損害
損害については、違法性で認定したものとほぼ同様である。

4)故意行為と違法性の因果関係
当然に認められる。

5)違法性と損害の因果関係
当然に予見可能なので、通常損害である。

以上から、不法行為責任も認められるが、上述のようにYの過失相殺も認められる。
その責任をX1が相続したとして、X1に請求しうる。

乙に対する請求
無権代理人の責任の相続的構成、不法行為責任の相続的構成については乙に対しても請求しうる。
  

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代理1

2010年04月25日 / 演習

無権代理人と他の共同相続人が本人を相続した一事例
最判平成10年7月17日参考。(問題文省略)

YのX2に対する請求

YのX2に対する請求として、有権代理を前提とし、相続による契約責任の請求、追認による効果帰属を前提とし、相続による契約責任の請求、表見代理を前提とし、相続による契約責任の請求、無権代理人の責任の請求、不法行為責任の請求が考えられる。

①有権代理を前提とし、相続による契約責任の請求と抵当権の実行(446・454と176条)
YはX1代理人X2と連帯保証契約(446条454条)及び抵当権設定契約(176条)を締結しているので、本人であるX1に契約の効果の帰属を主張しうる。
しかし、契約締結当時、X2が有していた代理権は乙土地売買についてと600万円の保証契約についてである。したがって、通常保証が連帯保証になっている点、600万円が900万円になっている点、抵当権設定契約については、代理権を有しておらず、X1に効果は帰属していないと反論しうる。


②追認による効果帰属を前提とし、相続による契約責任の請求
1)本人による追認拒絶の有無
X2の無権代理行為を知った本人X1は憤激していることから、追認拒絶する意思は明確である。しかし、113条2項で、追認拒絶の意思は相手方に対してしなければ効力を生じないので、憤激していることのみで追認拒絶を認めて、無権代理行為を確定することはできない。

2)相続による追認拒絶の可否
X1は死亡し、乙とX2が共同相続人となっている。
追認権も相続財産となり、共同相続人に共有的に帰属する。被相続財産が可分債権であっても、追認権が不可分的に帰属し、単独で行使しえない以上、共同相続人が共同で行使しないといけない。
従って、無権代理人であるX2は信義則上追認拒絶が許されない立場であっても、乙の意思如何によって、追認されるか否かが変わる。乙が追認の意思表示をなせば、本件無権代理行為は追認されることとなるし、乙が追認拒絶の意思表示をなせば、X2の相続部分に関わらず、全体として無権代理行為に確定する。
本件では、乙が訴訟に持ち込んでいることから、追認拒絶の意思は明確であるので、全体として無権代理行為と確定する。

③表見代理を前提とし、相続による契約責任の請求
代理権を有さず、無権代理となっても、権利外観の法理を生かし、表見代理が成立すれば、本人に効果が帰属しうる。
本件では、基本代理権、かつ、その権限踰越が存在するので、110条の要件である相当な理由があれば、表見代理は成立する。
相当な理由は、代理権の不存在について善意・無過失であることである。
実印や印鑑証明が付与されている場合には、日本における伝統的な取引慣習に当てはめれば、実印の意義は大きく、本人照会をしなくとも、代理権を有することを信じても無過失であるといえよう。
しかし、現代において、印鑑証明が電子機械で容易に入手できることにより、実印の意義は伝統的なそれよりも低下している。また、本件のように、自己との売買契約の売掛金についての保証をするという契約形態においては、通常の取引では考えにくく、そのような代理行為をなす場合には、相手方は実印とその印鑑証明だけではなく、本人に直接照会して初めて「相当な理由」を有すると解するべきである。
Yは契約締結時にX1に直接照会しておらず、110条の「相当な理由」を有さず、表見代理は成立しない。

④無権代理人の責任の請求(116条)
無権代理人については、法定責任が課されている。YはX1に無権代理人の責任として連帯保証契約については履行又は損害賠償請求、抵当権設定契約については、その処分権が乙と共有になっているので、X2の単独履行は社会通念上不能であり、損害賠償請求のみ許されると解するべきである。
しかし、Yはこのような取引形態において直接本人照会するべきであったのに、しなかった点において過失が認められるので、無権代理人の責任は追及できない、という反論が認められるため、無権代理人の責任は追及できない。
なお、無権代理人の責任においては、相手方が重過失である時のみ責任追及が否定され、軽過失のときは、責任追及ができると考える立場もある。しかし、この立場は、表見代理の要件との重複を根拠にするが、無権代理人の責任は、表見代理の補充的救済措置ではなく、あくまで双方の措置を選択的に主張できるものであり、要件的に重複していても問題は生じない。条文通り、善意無過失を要件とすべきであろう。

⑤不法行為責任の請求(709条)
1)故意・過失
無権代理行為やそこから発生する損害について、X2に当然に故意がある。

2)違法性
無権代理によって、通常成立するはずであったYがX1に対して有する債権ならびに物権について、侵害があったと見ることができる。

3)損害
損害については、違法性で認定したものとほぼ同様である。

4)故意行為と違法性の因果関係
当然に認められる。

5)違法性と損害の因果関係
当然に予見できる損害なので、通常損害である。

Yの乙に対する請求
有権代理を前提とし、相続による契約責任の請求、表見代理を前提とし、相続による契約責任の請求が考えられるのは、上と同じである。


  

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婚姻の成立要件

2010年04月21日 / 家族法

こんにちは。
久しぶりになりました。

今日は婚姻の成立要件と有効要件、そして実質的な成立要件について書きます。

婚姻の成立要件は届け出の受理である。
婚姻の有効要件は婚姻する意思である。
※この意思の内容については学説上対立がある。

そして、婚姻の実質的成立要件(婚姻障害事由)として婚姻適齢・重婚の禁止・近親婚の禁止・再婚禁止期間・未成年者の婚姻における父母の同意などが挙げらている。(731条~737条)

そして、これらの要件を欠く場合には婚姻を取り消すことができる(743条~748条)
※ただし、未成年者が父母の同意を欠く場合には、取り消すことができない。

ここで、疑問が生じる。
まず、届け出の受理によって、婚姻が成立するとし、
婚姻意思の存在が有効要件となっている点まではよくわかる。

そのうえで、婚姻障害事由については、どのように理解すればよいのだろうか?
二宮先生は、これを実質的な成立要件としている。
確かに、重婚などは、日本で認められていない以上、婚姻の成立要件として見るべきとの見解には説得力がある。

ただ、そうすると743条以降の取消を定めている規定との齟齬が生じる。

取消というのは、成立した法律行為が、有効か無効か、との判断についてなされるものである。
従って、そもそも成立していないものを取り消すことなどできないのである。

このような理解をすると、実質的な成立要件を欠く場合は、取消ではなく、そもそも不成立とする処理が望ましいのである。
逆に、743条以降の取消という法効果を尊重するのであれば、婚姻障害事由は実質的な成立要件ではなく、単なる有効要件と見なければならなくなる。

どちらがいいかは、さておき、このような齟齬が生じるのは、
婚姻障害事由の可変性と家族法の根底にある事実尊重にあるだろうと、たっちゃらは考える。

まず、可変性について。
婚姻適齢であっても、重婚であっても、
事実の変化によって、その障害が治癒することは十分に考えられる。(15歳の女性が16歳になる場合や前婚が消滅する場合)
その時に、当該婚姻をそもそも不成立としていると、障害事由が治癒しているにも関わらず、有効にもっていくことはできない。

そのような事情を考えると、本来は成立要件として見るべきであるが、有効要件として見た方が現実社会に適合的であろう。

もうひとつは、事実尊重である。
婚姻の障害事由がある場合に、婚姻は取り消されるが、
この効果については遡求効が否定されている。
これは、婚姻生活という事実関係が現に存在している以上、
法効果としても、その事実に適合させようとする趣旨がある。
遡及効の制限は、その期間中に生まれた子供が嫡出子になるか、非嫡出子になるかを左右するので、
きわめて重要な法効果である。

このように婚姻障害について遡及効を否定したい、という意図があるとすると、
婚姻を不成立という解釈は取りえなくなる。
当たり前であるが、そもそも不成立である場合には、遡及効もへったくれもないわけであり、
当該期間中の共同生活を尊重しよう、というわけにもいかないのである。
つまり、遡及効の否定を導くためにも、法効果としては、取消としなくてはいけないのである。


以上のように、
婚姻障害事由を実質的な成立要件として考えているにも関わらず、「取消」という法効果を取ることについての齟齬を
自分なりに考えてみた。
文言上の差異にあまりこだわるべきではないかもしれないが、
どうせ取消という効果を導くのであれば、
わざわざ実質的な成立要件とは言わず、有効要件と言えばいいのではないかとたっちゃらは考えました。

  

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興南、まさかの敗退!?

2010年04月11日 / 雑感

昨日・今日でチャレンジマッチが行われましたね。

10日
糸満 2対6 興南
小禄 3対0 嘉手納

11日
興南 3対5 小禄
嘉手納 3対2 糸満

だったみたいですね。

詳しくは、「北谷球場」さんのHP

結果だけ見たら、興南が負けたことはショッキングですが、
夏季大会のシードを決めるだけのエキシビジョンなので、
興南は島袋くんに投げさせなかったみたいですね!

選抜優勝チームだと、ただでさえもうデータが出そろってしまい、
研究され尽くされて、戦う羽目になっているので、
夏季大会までは、できるだけ「秘密兵器」にしておきたいですね。

また選手権大会で、島袋くんの投球を見たいものです。

ちなみに、夏季大会では、
小禄が第1シード、興南が第2シード、
嘉手納が第3シード、糸満が第4シードになったみたいですね。  

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錯誤1

2010年04月10日 / 演習

Xはサルバドール・ダリの作品を蒐集している。Xは2009年7月17日、美術商であるYからダリの絵「ユニコーン」を6万円で購入した。
契約を締結する際には、「ユニコーン」の入手経路等を詳しく説明し、掘り出し物であるということで強く勧めた。
XとYは本件絵画について売買契約を締結し、Xは売買代金を支払い、Yは本件絵画について引渡しを済ませた。
ところが、後日Xの知り合いの美術館館長Zにそのことを告げたところ、本物であれば10万円はする作品であることを知らされ、実際に見てもらったところ、贋作であることが判明した。
Xは作品を引き取ってもらい、売買代金相当額の返還及び利息の支払いを要求している。
Xはどのような主張をなしうるか。

現在を2009年9月末日として答えなさい。  続きを読む

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興南高校優勝、そしてチャレンジマッチ。

2010年04月05日 / 雑感

3日の決勝戦はホントすごかったですね♪♪
風の影響もあって、エラーが目立ちましたが、
島袋くんも200球近くよく投げてくれましたね☆

それにしても、応援の勢いが凄まじかった。
テレビで見ていても、日大三校側とは比べ物にならないほどの、
ボリュームでしたよ♪
延長戦は本当に見ごたえがありました!

さて、沖縄に凱旋した興南高校ですが、
次は10日に開催されるチャレンジマッチですね☆
今年は選抜2校出場ということもあって、初のトーナメント戦です。

興南 対 糸満
嘉手納 対 小禄

ですね~。

二年前の沖尚優勝の時は、浦商がチャレンジマッチで勝ち、
そのまま夏の甲子園出場へ勢いをつけました。

今年はどうなるか期待ですね!  

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祝☆興南決勝進出

2010年04月02日 / 雑感

興南高校、決勝進出おめでとう!!

今日は圧勝でしたね♪♪
山川くんのホームランはまさか入ると思っていませんでしたが、よくミートしてくれました☆

今日はいつもの走塁をからめた試合展開と言うよりは、長打で点をもぎ取る試合でしたね!
しかも、今までの試合はクリーンナップに頼る展開でしたが、今日は伊禮くんを始め、下位打線の活躍が目立ちましたね!!

しかも、今回は初の継投。
大量点差はあるものの、初の登板に砂川くんも緊張したと思いますが、
0点に抑えてくれました!

島袋くんも明日に備えて、充電できたことでしょう!

明日は猛打の日大三校ですが、
島袋くんが抑え、打線が援護する、
いつもの興南の試合を見せつけて欲しいですね!!

明日もちばりよー!!  

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☆準決勝☆ 雨はどうなるか・・・。

2010年04月01日 / 雑感

こんにちは!!

いよいよ今日13時半から、興南対大垣日大、準決勝ですね♪♪

今は第一試合始ったばかりですが、甲子園は雨みたいです☆

今日雨で順延になれば、島袋くんも1日休めますし、
土日になれば、応援に行ける!という方も多いはず!

恵みの雨になってくれることを祈ります☆

でもたっちゃらは、今日甲子園のために休んだので、今日やって欲しい。。笑

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祝☆興南ベスト4入り☆

2010年03月31日 / 雑感

興南ベスト4入りおめでとう!!!

関西⇒智弁⇒帝京、と強豪ばかりと当たって、
厳しいブロックですが、よく勝ち進んでくれましたね♪

高校野球の醍醐味は、堅実なバントと積極的な走塁だとたっちゃらは勝手に思ってます。
バッターが3・4番でもランナーが出ていれば、堅実に送り、すきあれば積極的な走塁をする。
堅実かつ積極的な野球は見ていて気持ちいいですね!!

今日は6回表のスクイズと、7回表のエンドラン、そして国吉くんの走塁に感動しました♪

スクイズはかなり警戒されていた(帝京側はキャッチャーに伝令を出していました)のに、いとも簡単に銘苅くんはスクイズを決めていました☆

7回表のエンドランは、我喜屋監督の采配が見事だったとしか言いようがありませんね!
ショートの守備を見事に揺さぶって、教科書通りのエンドランが決まりましたね♪

あと、国吉くんの進塁には驚きました。
ランナー1・3塁で1塁ランナーがわざと挟まれて、その間に3塁ランナーが・・・。という作戦はよくありますが、ちょっと賭けになるので、勇気が要りますよね。
結果的に3塁ランナーはホームインできませんでしたが、相手を混乱させ、2・3塁のチャンスを作り出し、それが慶田城くんの2点タイムリーにつながったと思います!

それにしても、島袋くんと対戦すると、相手チームはことごとくバントを失敗しますね。
やはり、あの投球ホームだと、ボールが見えにくいから、バントもしにくいんでしょうかね。

今、第四試合の途中ですが、神宮大会の覇者、大垣日大がリードしています。
明日の対戦相手はどっちになるにしろ、このまま優勝まで突き進んでほしいですね☆

明日も島袋くんは連投になるのでしょうか。。
日程的にますますきつくなりますが、明日もチーム一丸となって、決勝に駒を進めて欲しいです♪
明日もちばりよー!!
  

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対帝京戦。

2010年03月31日 / 雑感

明日は、帝京戦ですね♪♪
雨天順延もあって、明日はベスト8全チームが試合をするという、
贅沢な一日になります。

帝京は本格右腕が3人もいるので、投手面では、日程の厳しさの影響をあまり受けず、
興南にとっては、少し不利ですね。。。

ですが、智弁戦に見せた、強打線なら必ず打ち勝ってくれると思います!!
島袋くんは、中1日のハードな日程ですが、
自信を付けたスタミナを武器に頑張ってほしいですね。
もしかしたら、砂川くんなど、控え投手の登板もあるかもしれませんね!

沖縄春季大会では、八重山勢が2校ベスト4入りしたみたいですね♪
まだまだ先のことですが、チャレンジマッチも今から楽しみです。

興南ちばりよー!!!

  

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慰謝料の補完的機能

2010年03月29日 / 不法行為

こんにちは。
今日は慰謝料についてのお話です。


民法上の不法行為では、
709条で財産的損害についての規定があり、
710条で非財産的損害についての規定がある。

判例は、民事訴訟上の「訴訟上の請求たる権利」について、実体法上の権利をベースに考えている。
したがって、その考えを貫けば、709条と710条とで実体法上の異なる条文で規定されている以上、「訴訟上の請求たる権利」としては、2つということになりそうである。

しかし、判例は、709条と710条は、「訴訟上の請求たる権利」としては1つのものだと考えている。
「同一の事故」を理由とする財産的損害と非財産的損害については1つとして考えているのである。

これは、条文の構造と矛盾する結論であるが、そうしなければならない便宜上の理由がありそうである。

それは、慰謝料の補完的機能との関係である。

慰謝料については、被害者が慰謝料額の証明をしなくても、諸般の事情を斟酌して、慰謝料の賠償を命じることができる、としている。
この点で、弁論主義の第三テーゼ(事実認定の基礎となる証拠は当事者が申し出たものに限定される)が緩和されていると解釈できる。
このことを前提に、判例は原告(被害者)が709条の財産的損害について、証明を失敗した場合に、そのことを「諸般の事情」として勘案し、原告が主張している賠償額の総額の範囲内であれば、原告が提示している慰謝料額を超えても、損害賠償を認めることができるとしている。(慰謝料の補完的機能)

これは一見、「ご都合主義」のようにも思える。
この考え方を論理的に武装するためには、

709条と710条が「訴訟上の請求たる権利」として1つであり、709条で認められなかった額について710条で代替的に認容しても、処分権主義(246条)に反しないという点がキーになってくる。
ここで一つの疑問。
709条と710条が「訴訟上の請求たる権利」として1つだという処理をするのであれば、たとえ、原告が慰謝料に基づく損害賠償請求権につき行使する態度を取っていなくても、それについて認容できることになる(そのような認定をしても、処分権主義に反しないことになる。)
しかし、そうすると、慰謝料に基づく損害賠償請求が行使上の一身専属権であるという趣旨に反することになってしまう。

判例はあくまで、原告が710条に基づく損害賠償請求権の行使については主張していることを前提とした事案について、額については処分権主義に反しないという判決が下されているのである。

これは、慰謝料の補完的機能をどこまで認めるかという問題が本質にあるのだが、あくまで慰謝料の行使については主張が必要であり(行使としての処分権主義は適用される)、額についてのみ補完的機能が認められる(額における処分権主義は緩和される)と考えるのが、妥当な気がする。

709条と710条とで「訴訟上の請求たる権利」の数を1つとして処理する理由は、慰謝料の補完的機能を正当化するためなんじゃないの?、というお話でした。


※訴訟物という用語は多義的なので、あえて使いませんでした。
訴訟上の請求=709条に基づく損害賠償請求権が存在することの主張
訴訟上の請求たる権利=709条に基づく損害賠償請求権
という関係に立ちます。
両概念とも「訴訟物」という言葉で表わされるので、どっちの概念を指しているのか、混乱しないように書き分けました。


※昨日夜中にせっかく書いたのに、全部消えてしまって残念な感じでした。でも興南が勝ったし、よしとしましょう。
  

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☆興南ベスト8入り☆

2010年03月29日 / 雑感

興南2勝目おめでとう!!
相手の智弁は名将高嶋でしたが、今日の我喜屋監督の采配はキレキレでしたね♪
エンドランやスクイズは見事でした♪♪

後は打撃☆
去年の興南は貧打、貧打言われていましたが、
今日のクリーンナップはホントお見事。

3番の我如古くんはいわずもがな、5打数5安打の猛打賞。
連続安打8は、タイ記録らしいですね♪

8回裏の4番の真栄平くん、ダメ押し2ランは気持ちよかった!
一打席目から、イイ当たりだったのに、全部外野真正面で不運だっただけに、最後に一発出て良かったですね♪

島袋くんも、前半投球数がかさんで心配だったものの、
智弁4番に対し5連続三振はお見事。
あれだけヒットを打たれても、2点に抑えると、安心して見てられますね。

次は、帝京か奈良です!
どちらも打撃が強いチームですが、今日みたいな島袋くんの粘りのあるピッチングに期待ですね♪♪

準々決勝もちばりよ!!
  

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714条の解釈と監督義務違反に709条が適用される場合

2010年03月26日 / 不法行為

こんばんは。
興南勝利に興奮さめやりません。

不法行為における監督義務者の責任についてお話したいと思います。

714条は、行為者が責任無能力であった場合に、監督義務違反を理由に監督義務者に対して損害賠償を帰責するものである。
その要件は、

違法性(Xの権利侵害)
Aの故意過失
故意過失行為と違法性の因果関係
Xの損害
違法性と損害の因果関係
Aの責任能力が無いこと
Yが監督義務者であり、義務違反があること

である。

一般に責任能力は、「自己の行為の是非を判断できるだけの知能」とされており、
12歳程度の知能とされているが、その判断については個別具体的になされる。
また、監督義務者とは基本的には親権者や後見人と考えてよい。(714条1項。2項では代理監督者を規定)

ここでいう監督義務とはなんなんだろう。
不法行為が問題となっている以上、不法行為との関係での監督義務のようにも思える。
例えば、XがAの家に遊びに来た時に、10歳のAがXに傷害を負わせてしまった場合、YがAをちゃんと見張っていなかったこと、などが挙げられる。
しかし、714条が規定する監督義務はそのような不法行為との関係における「監督」に留まらない。
責任無能力者の生活全般について監護し、教育する包括的な義務として考えられている。
つまり、毎日ちゃんとしつけていないとダメですよ、という論法なのである。

話は一回それるが、16歳のAがXに不法行為によって損害を生じさせてしまった場合には、
Aに一般的には責任能力が認められるので、714条での処理は無理である。
しかし、XはAを訴えても、経済上の理由で16歳のAから損害の填補を受けることは期待できない。
そこで、判例は監督義務者の義務違反と未成年者の不法行為によって生じた結果との間に相当因果関係がある場合には、監督義務者について709条に基づく不法行為が成立するとしている。

これは、特別なことを言っているのではない。
ただ、監督義務者を直接の加害者に置き換えているだけである。
あくまで通常の709条の因果関係論の中の相当性の中身として、監督義務違反を検討しているに過ぎない。
当然の解釈であると言える。

問題は、ここでいう監督義務者の義務違反の中身である。
709条で解釈する以上、直接加害者である監督義務者の義務違反は、
当然に、当該具体的な不法行為との関係における監督義務違反となるだろう。

ここで先の714条との監督義務との相違点が浮かび上がる。
つまり、責任無能力の場合には、直接の加害者は責任無能力としながら、監督義務者にその責任を負わせることになり、その監督義務は包括的な教育義務などを指す。
これに対し、13歳くらいからは責任能力が肯定されるため、監督義務者に対しては709条で独自の直接加害者として構成するしかない。そしてここでいう監督義務は714条の場合と異なり、具体的な不法行為との関係における監督義務違反となり、範囲としては狭くなる。

監督義務者に対する不法行為責任について、714条でいく場合と709条でいく場合で、監督義務違反の中身に差異がある、というお話でした。
  

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興南、一回戦突破おめでとう。

2010年03月26日 / 雑感

こんにちは。
今日の興南はすごかったですね♪

去年の春、夏の雪辱を晴らし、初戦突破できて本当に良かったです。
去年の春も三振数には驚きましたが、14奪三振はすごすぎますね!
島袋くんは、大阪入りしてからは、体調を崩していると聞きましたが、
雨天順延が味方しましたね!
それにしても東浜くん、伊波くん、島袋くん、と昨今の沖縄県投手の勢いは止まりません!!

次は強豪智弁和歌山ですが、嘉手納の分までがんばってもらいたいです。
チバリヨー興南!

さてさて、ちょっと不思議に思ったこと
甲子園では、各校の選手は、会場付近のホテルや民宿に宿泊しているが、
雨天順延や敗退によって、その宿泊期間は確定しない。
どのような形態で契約を締結しているのか。

そもそも宿泊契約は、賃貸借(部屋の使用)と請負(ルームメイク)、さらには売買(食事の提供)
などの契約が混合しているものである。※食事の提供を請負と見ることも可

このうち、賃貸借契約はその期間、厳密にいえば、返還期が契約の内容としては重要なものなので、
要件事実的には、契約の成立要件として返還期の合意が要求されている。

だとすれば、高校球児が晴れて甲子園に出場することになり、その宿泊所をおさえるためには、
期間をあらかじめ定めて予約(厳密には契約)しなくてはいけないことになる。

まさか、一回戦や二回戦で敗退することを予定して契約することは、縁起でもないことである。
また、春も夏も雨天順延がよくあるので、2・3日は余分におさえておかなくてはいけない。
そうすると、決勝の2・3日後までおさえるというのが、優勝を目指す各校としてはセオリーになる。

でも初戦敗退となってしまえば、各校はすぐに故郷へ帰ることが多い。
その後の法律関係はどうなってしまうのだろうか。

ちょっと調べてみたところ、宿泊所に関しては、高野連が協力要請し、
一律料金によって宿泊所の提供をしているということ。
チームが敗退し、部屋に空きが出れば、その後は自由に他の人に提供して良いという決まりになっているそうだ。

ということは結局、返還期を「決勝戦が終わった翌日」とかにして、
敗退すれば借主は返還し、以降貸主に自由に使用収益させるという特約のついた形で契約が締結されていると見るのが妥当ではないだろうか。

それにしても、このような形で宿泊所を提供する宿屋の皆さんの協力によるところが多いのだろう。
まあ、平日に限って言えば、一般の予約客よりも利益になることがあるのかもしれないが。。



興南はどのような契約で宿泊所をおさえているか、というお話でした。
  

Posted by たっちゃら at 17:31Comments(0)TrackBack(0)